こんばんは!スポーツDrのKENです。今日は少し生活習慣病についてお伝えしたいと思います。

3大生活習慣病というものがあります。

高血圧、糖尿病、脂質異常症です。

これらは名前の通りで、「生活習慣」病です。生活習慣が原因となっているのです。

(一部には生活習慣に関わらず発症してしまうタイプのものがありますが大半は、ということです)

特に高血圧症(収縮期血圧140以上、拡張期血圧80以上)は日本で約4,300万人の罹患者がいると言われています。日本人の4人に1人は高血圧症と診断されており、診断されていないだけで実際は高血圧の方も多くいると思われます。この数は今後も増えていく見込みです。

高血圧症は心筋梗塞などの心血管病、脳卒中、腎臓病などのリスクが上がり、それにより死亡リスクが上昇します。

高血圧を原因とする疾患によって日本では年間10万人が亡くなっています。ちなみに地球上では毎年940万人ほどが亡くなっています。この数は毎年、高血圧のせいで東京都都民が全員亡くなっている計算になるということです。

2021年6月現在の段階で世界でコロナ感染症でなくなっている人数が380万人です。猛威を振るって1年半ほどなので単純計算1年で250万人ほど亡くなっている訳ですが、高血圧が原因でなくなる人はその4倍近いということです。

みなさんコロナを恐れる前に高血圧を恐れたら?と思わせる数値です。


高血圧はあまりにも我々にとって身近な疾患となってしまっており、しかもすぐには命を奪うものではないので、なんとなく社会的に「軽視」しがちということです。

高血圧の人を見ても病人と認識しなくなっている節すらあります。

「俺、高血圧で薬飲んでるんだ」と言われて

「え、それは大変だ、ちゃんと直さないと!運動は?食事は?」となりますか?

「へーそうなんですね。でも薬飲んでるなら大丈夫ですね。」となっていませんか?

先にも言った通りで高血圧症の9割方は生活習慣により発症します。

どのような生活因子が関与しているか、というと

  1. 食塩摂取量
  2. 肥満
  3. タバコやアルコール
  4. 運動不足
  5. ストレス

などが上げられます。加齢や妊娠歴、遺伝性の要素もあるのですが、それらは回避不可能な因子ですので、実際に見直すことが可能なのは上にあげた項目です。

さて高血圧ガイドランから以下の図を引用します。

この図を見ると、まずは生活習慣の修正を指導し、その後に薬の治療を開始する、となっています。しかし実際の医療現場をのぞいてみると、果たしてこの生活習慣の修正がどれほど具体的に、そして再現性高く指導されているのでしょうか?

現場の医師たちはたくさんの患者を抱えるなかで、時間のかかるこの指導を疎かにし、安易に降圧剤の処方へ走りがちなのではないでしょうか?

本当にこの生活習慣の修正の指導により高血圧を食い止めやる!そういう気概は薄れているように感じるのです。

あまりにも多くの人が高血圧症になってしまって、あまりにも身近になってしまっています。

患者さんからも「手っ取り早く、楽に治療を」という要望も強ければ担当医師もそこまで本気でこの「食事と運動指導」の行うことができないのが現状です。

「あー血圧高いですね。ちゃんと運動や食事を気をつけてますか?気をつけてくださいね。ちゃんと運動や食事は気をつけていますか?気をつけてくださいね。次回、血圧見ますので高かったら少しずつ血圧の薬を始めてみましょね」

なんていうパターンが多くを占めてしまっているのではないでしょうか?
(※あくまで一例であり、食事指導や運動指導を懸命に行なっている医師はいますし、「運動と食事」を勧める事で患者医師関係を悪化させ病院受診しなくなり投薬さえも行えない状況になるよりは投薬だけでも継続してもらえることは大きなメリットです)

気をつけろって、何をどうすれば良いねん。運動しろ、食事ったって何をすれば良いねん。ま、先生もあんまり強く言ってこなかったし、最悪薬飲めばいいのかな。

そういう声が全国から聞こえてくるようです。(幻聴です)

そうやって薬を飲み始め、一度飲み始めた人はその沼から抜け出せないまま過ごしていくのです。たくさんいます、そういう人。

生活習慣が乱れている人に関しては、それをしっかりと是正することで血圧を20ほど下げることができるのではないかと言われています。かなり大きな値だと思いませんか?

そして、その修正された生活は、当然のちに説明する糖尿病や脂質異常症、癌、認知症などあらゆる病気に対しても良い影響を及ぼす可能性も高いです。

医療現場ではこのあまりにも大切な「生活習慣の修正」のフェーズに重きを置いて(置けて)いないのが現実なのです。本当ならこの段階で徹底的に食い止めるくらいの気概がどれだけ大切なことか。

この話を掘り下げていくと医療産業や資本主義のとても闇の深い話につながりそうなのでこの辺で。

僕はできるだけ薬を使う前のフェーズでこの生活習慣病を是正出来たらと思い、スポーツドクターを取得しました。どのような伝え方をすれば、人々がよい生活習慣で楽しく生きていけるか、そういうことを考えている今日この頃なのです。

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